- GNOMEからPlasmaへの移行
- .NET版SofTalkのWineでの動作報告を発見し、試した結果...
- Wineで複数のMIDIポートに出力するアプリケーションの出力バグが修正される
- Ubuntu 21.10のAudacityで日本語UIにしても正常動作
- 個人的な話
GNOMEからPlasmaへの移行
GNOME環境のWaylandセッションでは、新規ウィンドウを開いたときの初期位置の変更が基本的にできず、設定によって一括で画面中央にすることはできても、個別に場所を移動する手間がかかって不満があった。
PlasmaのWaylandセッションは過去に試していたが、Firefoxのプライベートブラウジングのウィンドウを開くと変に小さくなったり、Alacrittyの新規ウィンドウを開くと非常に小さいサイズとなってサイズ変更をしなくてはならなかったりしており、ウィンドウルールの設定を試しても機能していなかった。
最近になってようやくウィンドウルールの最小ウィンドウサイズ設定が反映されるようになって、個人的に感じる使いづらさの大部分は解消したため、PlasmaのWaylandセッションをしばらく試してみることにした。Ubuntu 21.10ではPPA(ppa:kubuntu-ppa/backports
)で新しいバージョンが入れられるため、これを使っている。
また、FirefoxでMOZ_ENABLE_WAYLAND=1
でのWaylandネイティブ動作かつWebRenderが有効のときにしばらく使っていると、終了してもメモリ使用量が多い状態で使用可能メモリが減る一方となる現象があったのだが、(完全になくなっているかは不明だが)そのような状況が起きることはなくなっている印象はある。
.NET版SofTalkのWineでの動作報告を発見し、試した結果…
Wine貢献者のさがわ氏が収集・リツイートしているWineのアプリケーション動作報告の中に、手元の環境で動作の確認できなかった.NET版SofTalkの動作報告があったので、試してみた。
Ubuntu 21.10+Wine 6.20(Wine HQ リポジトリのdevelopment版)において、Softalk(.NET版)の動作を確認しました。理由は不明ですが、下記ページでも言及した「コマンド末尾になんかつける(適当な文字列でおk)」法がまたも有効の模様です。
— 腐っても豆腐ᵏᵗᶠ (@Tobubiyori) October 31, 2021
バッドノウハウですが、参考程度に。https://t.co/I0VdUXUUuv pic.twitter.com/IIwvNEf1C6
Wine Monoでは例外が発生してダメだったが、7.0-rc2時点では
- .NET Framework 4.0 (Winetricksの
dotnet40
) をインストール - (動作報告の通りに)
SofTalk.exe
まで入力後に半角スペースと引数1つ(任意の文字列)を付けて実行
として起動したところウィンドウが表示された。
テキスト入力欄は最初文字化けしているが、Winetricksのfakejapanese_ipamona
を入れると修正される他、設定ダイアログ内にフォント選択のタブ(7番目のタブ)でフォントを指定することもできる。
Wineで複数のMIDIポートに出力するアプリケーションの出力バグが修正される
5.2から7.0-rc3までのWineは複数のMIDIポートへの出力に対応するMIDIアプリケーション(プレーヤやシーケンサ)で同時に同じ出力先に複数ポート分のデータが送信される不具合があったが、修正が取り込まれ、7.0-rc4で修正される。
なお、バージョン5.2以上のWineでは、MIDIメッセージはWineから外部のネイティブなMIDIアプリケーションなどとALSA MIDIポートを接続することができるようになっており、その全てにメッセージが流れる仕組みになっている関係で、MIDIデバイスとしてQsynthを使用している場合、各エンジンの設定(Setup)で “Auto Connect MIDI Inputs” のチェック(既定でオン)を外さないと、意図せずにQsynthにメッセージが流れて音が出ることがあるので、これは外すことを推奨する。
Ubuntu 21.10のAudacityで日本語UIにしても正常動作
過去数回のUbuntuのリリースにおいて、環境変数などでユーザインタフェースの言語を日本語以外にしないとAudacityが正しく動作しなかった問題があったのだが、21.10の時点では手元の環境では解消している。
個人的な話
過去記事の移行作業
はてなダイアリーからはてなブログへ移行した2019年春から広告が貼れなくなったことを受け、過去の記事を自サイトに移行(一部は再編集)しているのだが、夏から秋にかけてはこの作業を優先して進めていた。
Hacktoberfest
昨年からルールが変更され、貢献できるリポジトリが限られてしまったのだが、結局はイベントのためにあまり有用とは言えないようなコードを追加するような形になってしまった。普段貢献しているプロジェクト(ETS2MPおよびATSMPのWine/Proton用非公式ランチャ)では継続して改善に貢献しているが、この時期に一人今後の改善を任されることになった(自分のPull Requestを期間内にマージする人がいない)関係もあって、イベントに活かすことはできなかった。
また、今回からGitLab上のプロジェクトもイベントの対象となったのだが、貢献したい(かつ可能な)リポジトリが見つけられなかった。
昨年は12月中旬に記念品の発送の通知が来ていたのだが、今年は本記事公開時点でまだ来ていない。
- Wine 7.0-rc1, 7.0-rc2
- SofTalk 1.93.54