X11用の自動クリック(連打)ツール “xAutoClick” にGUI版の使いやすさに関係する変更が幾つか入っている。
過去にソースを編集して使いやすくするための改造を行ったことがあるが、それらの変更によってその必要はなくなっている。
UbuntuのPPAリポジトリppa:kakurasan/misc
で公開していた改造版の公開も20.04用からは廃止し、最新バージョンをそのままパッケージ化している。
- 新しい開発者によってGitHubで開発が続いている
- GUIツールキットの対応バージョンの変更 (v0.33)
- 追加されたファイル (v0.33)
- ビルドシステムの変更 (v0.33)
- GUI部品の指定値の上限の変更 (v0.32)
- 設定ファイルのサポート (v0.32)
新しい開発者によってGitHubで開発が続いている
このソフトウェアは2014年を最後に更新が止まっていたが、別の開発者によってメンテナンスや機能追加が行われるようになった。新しい開発リポジトリは
https://github.com/qarkai/xautoclick
となっている。
GUIツールキットの対応バージョンの変更 (v0.33)
GUIツールキットについて
- GTK+ 3
- Qt 5
に公式に対応した。一方で
- GTK+ 1.2, GTK+ 2
- Qt 3, Qt 4
は古いため対応は打ち切られた。Ubuntuでは20.04からQt 4のパッケージが提供されなくなるため、Qt版がなくなりそうだったが、Qt 5版が出たことでその心配は当面なくなった。
追加されたファイル (v0.33)
GUI版をメニューから起動するための.desktopファイルやそのアイコンファイルが追加された。バージョン0.33時点ではGTK+ 3版を起動するものとなっている。
ビルドシステムの変更 (v0.33)
ビルドシステムにはCMakeが使われるようになった。
GUI部品の指定値の上限の変更 (v0.32)
バージョン0.31時点ではGUI部品の指定値の上限が低く、用途によっては使いづらかったのだが、その制限が実質なくなっており、使いやすくなった。
設定ファイルのサポート (v0.32)
GUI版における
- Pre-delay (連打開始までの待ち時間)
- Interval (連打間隔)
- Random +/- (連打のランダム幅)
- # of clicks (クリック数)
の各項目のGUI部品の値は、終了時に設定ファイルに保存されて次回起動時にこのファイルから前回のGUI部品の値が読み込まれるようになっている。
xAutoClickは複数のGUIツールキットに対応しているが、設定の保存と読み込みは使用したGUIツールキットに関係なく行われるようになっている。
設定ファイルの場所は
- 環境変数
XDG_CONFIG_HOME
が定義済みの場合:${XDG_CONFIG_HOME}/xautoclick/config
- 未定義の場合:
~/.config/xautoclick/config
となっており、このファイルを消すと設定は初期化される。