2017/08/23

Plasma 5デスクトップの個人的なカスタマイズメモ

これはPlasma 5デスクトップ(KDEの第5世代デスクトップ環境)上のKDE システム設定における個人的なカスタマイズ設定を主にメモしたものとなる。個人的には、これまでCompizの特定の機能に頼った使い方をしていたのだが、Plasma 5を設定することで使いやすい環境を作ることができ、Compizなしでも事足りるようになったというのが大きい。

  1. 暗い色の外観テーマを使用する
    1. Qtアプリケーション
    2. GTK+アプリケーション
  2. デスクトップテーマの追加と選択
  3. メニューの表示位置変更
  4. アクティブスクリーンエッジのアクション
  5. ネガ反転
  6. 画面のズーム
  7. Present Windows のレイアウト
  8. Meta (Super) キーを押しながらウィンドウドラッグでウィンドウを移動
  9. ウィンドウの移動やサイズ変更の際に座標やサイズの情報を表示する
  10. 新しいウィンドウの初期位置をマウスカーソルの位置に合わせる
  11. 一定時間無操作時の自動画面ロック
  12. キーボードショートカットによるコマンド実行
  13. ダブルクリックで項目を開く
  14. KDE ウォレットを無効化 (要認証)
  15. デスクトップにアイコンを並べる

暗い色の外観テーマを使用する

Qtアプリケーション

  • 設定階層: 外観 - ワークスペーステーマ - 外観
  • 値変更: “Breeze Dark” のような暗い色のテーマを選択する

Qt 4アプリケーションでは別途qtconfig(Debian/Ubuntuではqtconfig-qt4)コマンドで設定する必要がある。

GTK+アプリケーション

  • 設定階層: 外観 - アプリケーションスタイル - GNOME アプリケーションスタイル (GTK)
  • 値変更: “Breeze-Dark” のような暗い色のテーマをバージョン2系と3系それぞれに対して選択する

“Breeze-Dark” テーマがGTK+のテーマとしても存在するのでこれを選択することにより見栄えは統一可能なのだが、個人的には一部の配色とチェックボックス選択時の見た目(四角塗りつぶし)に不満があるため “外観 - アプリケーションスタイル - ウィジェットスタイル” の “アプリケーション” タブでQtアプリケーションのスタイルを “gtk2” にした上でGTK+側のテーマを両方のバージョンで “Adwaita-dark” にした。ただしFirefoxのアドレスバーから表示される候補で強調表示されていない項目のURLが見づらいことや、一部サイトの入力フォームで入力中の文字が読めないなど、問題もあるため、同アプリケーションの実行時にのみ環境変数GTK_THEMEで別のテーマ名を指定している。

(暗くない配色のAdwaitaテーマを指定する場合)
$ GTK_THEME=Adwaita firefox &

デスクトップテーマの追加と選択

  • 設定階層: 外観 - ワークスペーステーマ - デスクトップテーマ
  • 値変更: “Get new Theme” ボタンで テーマをダウンロード・インストールして選択

本記事公開時点では “Unity Ambiance” というテーマをインストールして使用中。

メニューの表示位置変更

  • 設定階層: 外観 - アプリケーションスタイル - ウィジェットスタイル
  • 値変更: “詳細設定” タブの “Menubar - Menubar style” を以下のいずれか好みのものにする
設定項目説明
In applicationアプリケーション内に表示
Title bar buttonKWinのタイトルバーにメニュー用のアイコンが表示され、そこからメニューが開く
Application Menu widgetPlasmaの “Global Menu” ウィジェットに表示される

“Title bar button” が省スペースで便利だが、LibreOfficeでQt/KDE統合のパッケージがインストールされていないと(Ubuntu 17.04では)同アプリケーションのメニューバーが表示されなくなることがある。環境変数SAL_USE_VCLPLUGINを “gen” にする回避法もあるが、外観の統一感がなくなる。

アクティブスクリーンエッジのアクション

画面の四隅(頂点)と上下左右の端(辺)にマウスカーソルを移動したときに、用意済みの幾つかの操作の中から選択(設定)されたものが発動する機能。Compizでも同様の仕組みが存在するが、それと比べると割り当て可能な操作はかなり少ない。キーボードショートカットしか設定できないところでこれが使えるとかなり便利になるので、個人的には残念な部分。

  • 設定階層: ワークスペース - デスクトップの挙動 - スクリーンエッジ
  • 値変更: “アクティブスクリーンエッジのアクション” でディスプレイの絵の中の8つの位置それぞれに対して機能の割り当てや解除を行う

ディスプレイの絵の中の位置ごとにあるマークを押すと機能名の一覧が表示され、例えば “Present Windows - すべてのデスクトップ” を選択すると、全てのデスクトップ(デスクトップ環境によっては “ワークスペース” と呼ばれる、ウィンドウを配置する画面の単位)のウィンドウをCompizの “スケール” のように並べて縮小表示し、選択したものがアクティブになる。

何かの操作が割り当てられているマークは真ん中に色が付いたような形の表示になる。

割り当て済みの機能を解除するには一覧の “アクションなし” を選択する。

マウスポインタを該当位置に移動してから機能が発動するまでの時間などは 下のほうにある “その他の設定” で

  • 起動の遅延: 0 ミリ秒
  • 次の起動までの時間: 500 ミリ秒

のようにして調整できる。

ネガ反転

Compizにはネガ反転を行うプラグインがあるが、Plasmaデスクトップの標準ウィンドウマネージャKWinにも同様の機能が存在する。

  • 設定階層: ワークスペース - デスクトップの挙動 - デスクトップ効果
  • 値変更: “Invert” がチェックされている状態で右側の設定用ボタン(3つある中の中央)を押し、 “ウィンドウの色調反転効果をオン/オフ” (アクティブなウィンドウが対象) や “色調反転効果をオン/オフ” (画面全体が対象) のそれぞれに対して必要に応じて好みのキー割り当てを設定

画面のズーム

Compizと同様の画面ズーム機能だが、マウスホイールが使えず、キーボード操作で拡大率を変更するしかないのが不便。

  • 設定階層: ワークスペース - デスクトップの挙動 - デスクトップ効果
  • 値変更: “Zoom” が選択されている状態で右側の設定用ボタンを押し、 “拡大” と “縮小” のそれぞれに対して好みのキー割り当てを設定

Present Windows のレイアウト

“Present Windows” はCompizの “スケール” に相当する機能で、現在のデスクトップもしくは全デスクトップ(スクリーンエッジの割り当て設定により選択)の全ウィンドウを縮小表示し、選択したウィンドウをアクティブにする。

この発動時の並び方を調整する。

  • 設定階層: ワークスペース - デスクトップの挙動 - デスクトップ効果
  • 値変更: “Present Windows” がチェックされている状態で右側の設定用ボタンを押し、 “外観 - 配置モード” を “均一なグリッド” へ

Meta (Super) キーを押しながらウィンドウドラッグでウィンドウを移動

タイトルバーをドラッグせずにキーボードの特定のキーを押しながらウィンドウ内をドラッグすることによってウィンドウを移動するには、標準ではAltキーを押しながらウィンドウ内をドラッグするが、これをMeta(Super)キーにするには下を設定する。

  • 設定階層: ワークスペース - ウィンドウの操作 - ウィンドウの挙動
  • 値変更: “ウィンドウの挙動” タブの “Inner Window, Titlebar & Frame” にある “Modifier key” を “Alt” から “Meta” へ(元に戻す場合は逆にする)

ウィンドウの移動やサイズ変更の際に座標やサイズの情報を表示する

  • 設定階層: ワークスペース - ウィンドウの操作 - ウィンドウの挙動
  • 値変更: “移動” タブの “ウィンドウ” にある “移動およびリサイズ中にウィンドウのジオメトリを表示する” にチェック

新しいウィンドウの初期位置をマウスカーソルの位置に合わせる

注意点として、他のウィンドウマネージャでも同様だが、一部のソフトウェアは独自に位置を保存・復元するためにこの設定は適用されない。

  • 設定階層: ワークスペース - ウィンドウの操作 - ウィンドウの挙動
  • 値変更: “詳細設定” タブの “配置” を “Under Mouse” へ

一定時間無操作時の自動画面ロック

  • 設定階層: ワークスペース - デスクトップの挙動 - スクリーンロック
  • 値変更: “Activation” タブで、一定時間無操作時にロックするかどうかやロックされるまでの時間を設定

キーボードショートカットによるコマンド実行

これはほとんどのデスクトップ環境やウィンドウマネージャに存在する “コマンド実行をキーボードショートカットに割り当てる” 機能の設定。設定手順は慣れるまで少し分かりにくい気がする。

  • 設定階層: ワークスペース - ショートカット - カスタムショートカット
  • 値変更: “使用例” のフォルダにチェックを入れ(フォルダ内の個別の使用例はチェックしない)、 “使用例” の部分のコンテキストメニューから “New - グローバルショートカット - コマンド/URL” を選択し、追加された “新しいアクション” の名前を実際の用途に合わせて変更するとともに “トリガー” タブでショートカットキーを設定し、 “アクション” タブで実行するコマンド行やシェルスクリプトの場所を入力(ホームディレクトリは “~” と書いてよい)

カスタムショートカットの設定

画像は下の記事のスクリプトを実行するために設定したもの(“Breeze Dark” テーマ使用時にキャプチャした画像)。

ダブルクリックで項目を開く

  • 設定階層: ハードウェア - 入力デバイス - マウス
  • 値変更: “全般” タブの “アイコン - ダブルクリックでファイルやフォルダを開く” を選択

KDE ウォレットを無効化 (要認証)

  • 設定階層: 個人設定 - アカウント詳細 - KDE ウォレット
  • 値変更: “Enable the KDE wallet subsystem” のチェックを外す

デスクトップにアイコンを並べる

デスクトップ上のコンテキストメニューから “Configure Desktop” を選択したときに “壁紙 - レイアウト” が “デスクトップ” になっている場合、これを “フォルダビュー” に切り替えるとfreedesktop.org準拠のデスクトップフォルダの内容(ランチャなど)が表示されるようになる。

このデスクトップは特定のファイルマネージャと統合されてはいないため、デスクトップ上にディレクトリがある場合、既定のファイルマネージャ(“個人設定 - アプリケーション - デフォルトのアプリケーション” の中で設定可)が起動して開かれる。もちろん、他のデスクトップ環境で標準になっているファイルマネージャも使用できる。

使用したバージョン:
  • Plasma 5.9.4
  • Firefox 55.0.2
  • LibreOffice 5.3.1.2