UbuntuのパッケージとしてインストールしたAudacityが
(audacity:xxxxxx): Pango-CRITICAL **: xx:xx:xx.xxx: pango_font_description_set_size: assertion 'size >= 0' failed
のエラーが出続けて起動しない問題について、環境変数LANG
をC
にして起動する方法が過去に問題回避策として機能していたのだが、手元のUbuntu 22.04 LTSではこの方法もダメで、LC_ALL
やLANGUAGE
といった環境変数を指定しても起動しなかった。
Ubuntuのパッケージはaudacity.cfgがない状態でLANG=Cで実行すると英語で動作
設定ファイル[ホームディレクトリ]/.audacity-data/audacity.cfg
を一旦消したり名前変更したりしてからLANG=C
で実行すると起動した。
注意: 以下の作業を行うと、名前変更したaudacity.cfg.old
を元のaudacity.cfg
の名前で置き換えるまで、既存の設定内容は失われる。
(設定ファイルのあるディレクトリへ移動) $ cd ~/.audacity-data/ (既存の設定ファイルを名前変更) $ mv audacity.cfg audacity.cfg.old (LANGを指定して実行・英語表示になる) $ LANG=C audacity &
メニュー “Edit - Preferences” を開くかCtrl
-P
を押し、 “Interface - Display - Language” で言語を変更することはできる(日本語にもできる)が、 “English” にしても実行時にはLANG
の指定が必要で、 “日本語” にすると次回からまた起動しなくなってしまった。
Flatpak版Audacityを導入する
Flathubからorg.audacityteam.Audacityをインストールして実行すると良好に動作する。FFmpegライブラリも付属しており、それを用いてインポートやエクスポートもできる。
(Flatpakが未インストールの場合にインストール) $ sudo apt install flatpak (FlatpakにFlathubリポジトリを追加していない場合に追加) $ sudo flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo (Audacityをインストール) $ sudo flatpak install flathub org.audacityteam.Audacity (起動) $ flatpak run org.audacityteam.Audacity
Ubuntu以外のGNU/Linuxを使っている場合は詳細ページの “setup guide” からOSのアイコンを選び、そこにFlatpakの導入を含んだ準備の手順が書かれているので、それに従って必要な作業を行う。
将来OSのバージョンをクリーンインストールで上げる場合、FlatpakアプリケーションとしてのAudacityも基本的に入れ直しになるが、コマンドでの作業なので自動化はしやすく、手間はかからない。
WineでWindows版を使う
公式のリリース一覧からWindows版、つまり audacity-win-
で始まる名前のファイルをダウンロードしてWineで実行する方法もある。
FFmpegライブラリを用いてインポートやエクスポートを行う場合は付属ドキュメントの指示に従ってDLLの準備をする必要があり、手間がかかる。
一旦環境が作れれば、その後はそのディレクトリツリーさえホームディレクトリの下などに残していれば、OSを更新してもその環境を使い続けられる。
- Flatpak 1.12.7
- Wine 6.0.3
- Audacity 2.4.2 (Ubuntu 22.04 LTSのパッケージ), 3.1.3 (Flatpak版, 32bit Windows版)